Switch Movie Fes.2013前田敦子セレクション『雨に唄えば』

Switch Movie Fes.2013前田敦子セレクション『雨に唄えば』@TOHOシネマズ六本木ヒルズ 2013年04月21日(日)

映画を観るのが大好きと公言し、一人で早稲田松竹にも足を運ぶ敦子ちゃん(前田敦子ちゃん)。雑誌「Switch」の映画企画で彼女がセレクトした『雨に唄えば』(1952年)を観に行って来ました。優先予約が当選して、B列という実質最前列。敦子ちゃんをガン見するには最高!でも映画を観るには超煽りという悶絶しそうな席でしたが、ともかくGO!

しかしなんとも朝から雨。タイトルどおり『雨に唄えば』になったのでした。もちろん敦子ちゃんもこれには

「ね、雨降って最高なんじゃないですか?帰りはみんなジーン・ケリーになっていただいて『トゥルルル〜〜♫』って。」

とスーパー上機嫌だった。まさか鼻歌が出るとは思わなくて大喜びしちゃいましたよ。

プレスもずら〜〜〜っと前に並んでいて、大根監督が文句つけてたシネマトゥデイの記者らしき人がパチパチパソコン打っていた(笑)まぁ3m圏内で動く敦子ちゃんを拝めるという状況にワクワクですわ!あ、そういえば敦子ちゃんファンらしき人が同じ列のドセンターで画用紙だかに何か書いてパフォーマンスしていたみたいで、入ってきた瞬間に気づいた敦子ちゃんは「あ!」って手を振ってました。(以下、はるきゃんがTweetしているICレコーダーは使ってませんがwメモの限り実況スタート)

まぁとにかく細い。12㎝くらいあるソールのサンダルを履いていたんだけど、ソールの幅くらいのふくらはぎに、きゅっと締まったウェスト。生で目の前で観ると心臓が止まりそうなくらいな細さで、自分の身体がおぞましくなるくらい。パールのバングルがでかく見えてしまった・・・。敦子ちゃん、素敵過ぎる。

WEBでトークショーの記事が結構出ているので、はしょられている部分を少し補充すると、映画を集中して観るようになったのは、卒業してからどんなものを観ていいかわからないでいた時に、周りの方々が「吸収したい!」って敦子ちゃんが思っている事を察してくれて、いろんなジャンルのものを勧めてくれたことがきっかけ。そこからどんどんはまって、渋谷や代官山で買いあさるのが楽しかったって話していました。

新橋文化劇場で『ゴッドファーザー』を観に行った時の衝撃を受けた話もそうだけど、学生さんが多い劇場(→これ、早稲田松竹のことね)も行ったりと、アクティブに名画座巡りをしている敦子ちゃん。いつかどこかで遭遇することがあると嬉しいなぁと思ったかつをでした。

「昨日は寝ちゃったんですが(照)」と言いながらも、最近はだんだん追いついてきて90年代の映画に取りかかってるらしく『アメリカン・ビューティー』に衝撃を受けたらしい。これ、私観てないから観てみなくちゃ!あとクロユリ団地絡みで質問を受けてたから、本当は怖いものは苦手なんだろうけど、宇宙人やゾンビが出てくるのも興味があると話していました。

一番感銘を受けたのは、司会の方が「これどうかな?と思う映画があったら?」というような質問の時に

「でも、あそこが面白かったと思った方が記憶に残るので(^o^)」

と作品のあら探しをしないでいい所を観る姿勢ね。それに、ちょっと数観るとウンチク語りたくなっても良さそうなのに、そういう鼻につくところがなくて、一緒に映画観に行きたい女の子No.1。私もやたらとツッコミ入れる癖は直そう(苦笑)

フォロワーさんとも話していたんだけど、ミュージカルが好きな人はミュージカルの世界に行ってしまうけど、敦子ちゃんの場合ミュージカル映画に「そういう映画を作る監督さんが居れば挙手したい」というほど興味があるというのはなかなか珍しいかも。この作品観ながら日本でリメイクしたらジーン・ケリー森山未來くらいしかできないような気がしてきたんだけど・・・。

「挑戦させてもらえれば何でもやりたい。まだ若いので青春もしたい。良く考えるとさわやか(な作品)に参加したことがないので、さわやかでアレ?っていう役もしたい。奇妙な作品に、エンターテインメントとして参加してみたい」
という力強いコメントを残し、頑張ります!とニッコリしていました。

雨に唄えば』を観たことが無い人が会場にかなりいたので、手がさっと上がった時に「わぁぁぁぁっ!」って満面の笑みが咲いたのが、本当に本当に癒やし・・・。
「さいっこうじゃないですか!!!映画館で一番観てみたい作品です。私が本当に好きな作品だし、ぜひ皆さんにも楽しんで帰っていただきたい」
というようなコメントで更に沸きました。仕事が重なってなかったら劇場で敦子ちゃんと一緒に鑑賞会できたのになぁ・・・すごく残念。

・・・で、ここから本編の『雨に唄えば』(爆)
言わずと知れた名作中の名作。映画を観て無くても「Singin' in the Rain」は一度は聴いた事があるはず。ジーン・ケリーデビー・レイノルズドナルド・オコナー(オコーナーとどっちが正しいんだ?)の三人のシーンは印象に深いですよね。

ミュージカルが苦手という人はいきなり歌い出すのが「え、何で?」と思うらしいのだけど、これもミュージカル映画だからもちろんそういう場面が満載です。でも、このちょっと長いか?と思うようなミュージカル場面が、ともかく「目眩く(余談:これでめくるめく、というのか!)」場面ばかりで、ミュージカルが大好きな私としてはもう「ブロードウェイに連れてって!」って感じになって仕方なかったです。

それにダンスというか特にタップダンス!歌えて、ここまで踊れてって層の厚さに感動しましたよ。タップダンスを観ていると途中から「42nd Street」を思い出してしまった。敦子ちゃんも「ガッツリ踊っている」ドナルド・オコナーが素敵って話していたけど、彼の身体能力ハンパないです。本当にスゲェェ・・・という言葉しか出てこない大画面の迫力でした。

サイレント映画からトーキーに移る時の業界裏話なんで、スタント上がりで今は大女優・リナとのコンビが大当たりしている俳優のドンが、駆け出しの女優(ショーガール)のキャシーと出会い、恋仲になるも、ドンが出演する映画のために、悪声のリナの声の代役をすることになるのだが・・・という物語。

ドンとキャシーの出会いは最悪だったのだけど、実はドンの映画をほとんど観ててそれを言えずに逆にけなしてしまうキャシーはすごくキュートだし、そんなキャシーの本当の気持ちを知ったドンは素直に惹かれていくという図式が、シンプルで、素直に胸に来る。だから長いミュージカルシーンの最後に、クレジットも出ない映画の試写会で、我が儘でキャシーをずっと自分の裏方にさせようとするリナのために、カーテンの奥で「雨に唄えば」を唄っているキャシーが、最後の最後にドンに引き寄せられる瞬間は、キャシー同様涙がつーーーーーっと流れていました。

でも我が儘のリナも、心底意地悪な人ではなくて、ドンが好きだから我が儘になってしまうところも実は可愛いんです。昔の映画の良さというか、誰も心底悪人の出てこない、多幸感が溢れる作品なんですよね。さすがハリウッド、物語の終わりは「ハッピーエンドでなくちゃ!」なんですね。

ミュージカルシーンで、二人で布きれ持って踊っている(苦笑)場面、曲がなんだか「WSS」の体育館シーンでのトニーとマリアの幻想シーンに似ているなぁ・・・と思ったんだけど、WSSの方が後だったので勘違いだったのかも(それとも、WSSの方が似ていたのか?)それとこの作品をリスペクトしてパロディとかもあるみたいですね。今度はそっちも観てみたいです。

セレクトの敦子ちゃん本人が自身の「神映画」と評し「映画館で一番観たい作品、本当に好きな作品」という『雨に唄えば』敦子ちゃんが「この映画好き!」という好きな気持ちの魔法をかけて、61年前に作られた圧倒的な多幸感が化学反応し、幸せな時間の共有が出来た素敵なイベントでした。またこういった映画イベントで、新しい映画に出会いたいな。