「これは映画ではない」

2012年9月26日(水)シアターイメージフォーラム
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体制に異議を唱えたイランの映画監督・ジャファール・パナヒが撮影禁止20年、禁固6年を言い渡され控訴審中。彼は最後に撮るはずだった脚本を自宅の中で読み、 それを友人のドキュメンタリー監督に撮影させた(自らカメラを回してる部分もあり)ひたすらト書きを読みシーン構成を説明し…という場面が続く。

これ、チラシを抜粋すると、
「映るのはパナヒの軟禁生活。といっても語り口はユーモラス。限られた空間と時間にも関わらず、様々な創意工夫に溢れ、見所は満載。どこまでが偶然でどこまでが演出なのか。黄金期イラン映画を彷彿させるスタイルで、最後は建物のエレベーターを「自由」への逃走の場へと買えてしまうスリリングなラストへ!」

沈黙を破ったのがマンションの管理人の代理でゴミを集めにきた大学院の彼(同じマンションに住む女性が犬を預けに来たらしいが、そこは意識が飛んでいた)。外では火祭りで人が騒いでるけど、彼は外には出られない。国外脱出禁止、取材禁止でもある…という。ペルシャ語が耳から入り目は字幕二種類(日本語と英語)を追いかけて、頭がわけワカメ(^^;;なんか呪文みたいに聞こえてきて意識飛んでた(-。-;

これはドキュメンタリーの部類だけど、確かにどこからが演出で、どこからがLIVEなのかがわからない。電話のやりとりにしても、ここまで上手く話が合うのかとか。

それにしても、流し撮りしてるのを延々観るというのはなかなか苦痛だということを実感した。きっと私の意識が飛んでたときに 感動の要素があったのだろう(多分)けど、物を撮影して、単純な記録として流してもエモーションが沸いてこない。まさに「映画ではない」んだなって思った。

フライヤーの外国評には「今まで存在しなかった形の傑作!」とか「どんな映画のエンディングよりドラマチック!」っていうリードがあるので、う〜〜〜ん、これはどういう風に捉えたらいいんだろ?ただ、映画監督が危険を冒して撮った映像を持ち出し、映画祭にエントリーして、この現実を世に訴えたというサブストーリーこそが映画的なエッセンスなんじゃないかと思いました。

個人的な感想としては、う〜ん1,800円・・・やっちまったかな感の残った映画でした。