ヘアスプレー

金曜日の夜はにぎやか〜♪でもなく、淡々と残業したのだけど、なんとなく映画を見たかったので、レイトショーで「ヘアスプレー」を見てきました。
開始が21時40分で、終演は0時近くになるっつうのに、結構な人がいたことにびっくり!!!みんな帰りはどうすんの?
アメリカが舞台だしぃと、ホットドックとウーロン茶(コーラではない)を買って劇場へGO!

ハイスクール・ミュージカル」で主演したザック・エフロンが主人公トレーシーの憧れの男の子リンク役で出ていて、そっちの方にも興味あったんですが(笑)、オープニングの歌「グッドモーニング ボルティモア」から底抜けに明るいナンバーとダンスで、久々に「ミュージカル見てる!」って気になり、ダンスができないのに踊れるような気になってしまう不思議。
明るくて歌とダンスが大好きなトレーシーは、流行のビッグヘアのために朝の貴重な時間を費やすおしゃれな女子高生。ちょっとおデブちゃんなんだけど、そんなこと気にもせず「人と違っていいのよ、ママ」と同じくメタボな母のエドナを励ます女の子。憧れの番組「コーニー・コリンズ・ショー」で憧れの男の子リンクと踊るのが夢で、親友のペニーと一緒に毎日午後4時テレビの前で釘付けになっていた。
運良くショーのオーディションを受けることができたのだけど、その体格を気に入らない番組のディレクター?(部長って字幕では言っていたけど)のベルマから見事に落とされてしまう。
がっかりするトレーシーだが、オーディションのために学校をさぼったことがバレ、居残り組に。その教室で同じくショーの「ブラック・デー」に出ているシーウィードに出会い、彼らと意気投合したのだった。
トレーシーがシーゥイードたちと踊っているところを見たリンク。すっかり気に入ってトレーシーを学校のダンスパーティーに誘う。そのパーティーでコーニーに気に入られたトレーシーは、ショーのレギュラーとなって人気を博していく。
ところが、娘のアンバーをさしおいて人気が出て行くトレーシーを気に入らないベルマは、トレーシーの人種差別を反対するコメントを体良く利用し、トレーシーを追い出してしまう。とともに、さらに番組で黒人だけのショー、ブラック・デーも中止にしてしまう。
トレーシーはシーウィードたちと局までデモをして、差別反対を訴えたのだがふとしたことで警官を暴行した暴行犯扱いされ追われる身になってしまうのだが・・・

というようなストーリー。詳細は公式ページとウィキでどうぞ。

確かに明るいミュージカルムービーではあるけど、その中で人種差別の問題や体格差別(というのか)や、階層差別みたいなのを詰め込んでいるので、単なるノー天気なアメリカンムービーではなかった。
たとえば政治や社会の仕組みの中では越えられない大きな壁も、アートでひょいと乗り越えてしまうような軽快さや無邪気さがあって、見終わった後に爽快感がある映画だった。
トレーシー役のニッキー・ブロンスキーも、リンク役のザック・エフロンも歌がうまくて、ナンバーの美しさが素直に耳に入ってくる。あぁミュージカルってやっぱり歌で陶酔させてこそだよね、なんて思ってしまったのだYO!(聞いてる?>どこかの歌劇団
それと特殊メイクでトレーシーの母となったジョン・トラボルタも最高。この人がサタデー・ナイト・フィーバーしていたなんて平成生まれは知らないでしょうね。
ミッシェル・ファイファーにクリストファー・ウォーケンも良い味だしていて、この二人のイタズラおもちゃ店でのシーンが私、かなり気に入りました。

ミュージカル映画だけに、歌とダンスシーンは満載で、ダンスができない(あるいは苦手)な人にも、ダンスしてみたい!と思わせるような映画だから、その道の人はきっと無性に踊りたくなるだろうなぁと思いましたね。
ミュージカル映画だと金字塔に輝くのが「ウェスト・サイド・ストーリー」ですが、ロミオとジュリエットをベースに人種差別をモチーフにして描いたものと、本質的なものは同じなんだけど、明るいハッピーエンドにしたのが「建前」平等な現代アメリカのあるべき姿なんでしょうね。
そんな難しいことを考えなくても、楽しめて、ちょっと見た目で一歩前に出られない女の子に力と夢を与えてくれるハッピーな一本でした。