雪組エンカレッジコンサート

雪組エンカレッジコンサート 2006年08月08日 宝塚バウホール

大劇場がお休み中の8月8日。雪組のエンカレッジコンサートの千秋楽の日に日帰りでムラに行った。本当は一泊くらいしたかったなぁ。日帰りでムラなんて新公日帰りの時以来か?もしかして。

下品な話、それだけお金をかけても惜しくないコンサートで、普段「スカステでやるから行かなくても」と思うことが最近多かったが(ただし、行って生で見たかったのもあるけど)、今回やっぱり「生の魅力」にシビレましたね。

エンカレッジコンサートとは、プログラムから引用すれば

『日頃、歌のレッスンに熱心に励んでいるにもかかわらず、宝塚大劇場の公演では、皆様の前であまり披露する機会が少ない出演者の為に、もうけられた催しです。』とあるように、若手研鑽を主眼とした企画である。
私は最初の花組のエンカレ(かなみちゃんの「マダムヴォルフのコレクション」で衝撃を受けたのも懐かしい)以来、もしかして私は見ていないのかもしれない。それだけに歌だけを聴くスタイルは新鮮だった。特に今回は長の学年が85期で、個人的には親しい生徒もいる。その人たちの活躍も楽しみだった。

雪組は、実は新公メンバーが芸達者な人が多くて、古参の上級生のベルリンの壁がなければ〜大胆に言い換えれば他の組なら〜もっと大劇場公演で歌なり芝居なりダンスなりに場面をもらえる実力がある人が粒揃っている。私が新公を見られていたのはけいちゃん(音月)が主役だった頃までだが、その時にもレベルの厚さに感心したものだった。上級生の存在感はもう充分過ぎるくらいわかっているから、そろそろ後進を育てるように配慮してもらいたい。でないと、せっかくいい才能を持ったやる気のある生徒が辞めてしまいやしないかと案じてしまう。

演出が、中村A先生。そのせいか、第2幕の中詰めでは、「夢・シェイクスピア」の「ステージ」を全員で歌っていた。この歌、本当に好き。罪がなくて好き(笑)メンバーは16人でした。コマちゃんくらいまでが曲紹介のMCを担当してましたが、あとはひたすら歌で、聞き応えがあった。

曲目を羅列すると、次のとおり

第1部
AMAZING GRACE 全員
LOVE CHANGES EVERYTHING 柊 巴
命をあげよう 大月 さゆ
Cabaret 桜寿 ひらり
All Ask of You 花夏 ゆりん・蓮城 まこと
Can't Help Lovin' Dat Man 千 はふり
Bali-Hai 鞠輝 とわ
踊り明かそう 純矢 ちとせ
ラ・ビアン・ローズ 奏乃 はると
You Raise Me Up 白帆 凛
Somewhere 花夏 ゆりん
On My Own(ひとりぼっち) 夢華あやり
未来へ 大凪 真生
La Pastorella 早花 まこ
かなわぬ夢 晴華 みどり
THINK OF ME 山科 愛
最後のダンス 沙央くらま

第2部
タカラヅカ・グローリー! 全員
影を逃れて 奏乃 はると
Bui-doi 桜寿 ひらり
ブルースレクイエム 鞠輝 とわ
We are the champions 白帆 凛
花吹雪恋吹雪 蓮城 まこと
It's only a paper moon 千はふり
仙女の祈り 花夏 ゆりん
愛 燃える 柊 巴
ステージ 全員
アマール・アマール 沙央 くらま
心はいつも 夢華 あやり
アヴェ・マリア 純矢 ちとせ
This is the Moment 大凪 真生
いつも夢見ていた 大月 さゆ
見果てぬ夢 早花 まこ
アイーダの信念 山科 愛
清く正しく美しく 晴華 みどり
JOYFUL,JOYFUL 全員

・・・ったく、横文字のタイトルが多すぎる(苦笑)タイピングするのに時間がかかったわ。

まず最初に、選曲って大切だなぁと思った。歌が上手な人でも声に合わないとか、歌いづらいものもあるよね。受けた印象だけで整理すると、その点で2曲とも選曲がジャストミートだったのが、白帆さんと大凪さん、夢華さんだったな。
個人的にはにわさんを見に行ったんだけど、彼女はどっちかというと今の感じからするとオーソドックスな宝塚の歌とかで声が広がる歌の方が合っていたと思うね。
難易度の高い歌を上手く歌って実力のあるところをアピールできたのが、早花さんと千さん。
自分の好きな歌とキャラクターと声が合っていたのが純矢さんと蓮城さん、鞠輝さん。
立場的にここらへんは歌わないとという役割みたいなものと折り合っていたのがシナちゃんとコマちゃん。ラギもそうかな。
自分が感動した歌を歌いたい!という思い100%だったのが桜寿さん。全部書けないけど、本当に選曲によって聞こえ方が違うってのがよくわかった。

正直言えば、文句なしに上手い!っていう人から荒削りな人までいた。それでも新公卒業したばかりの生徒が長の若いメンバーで、元気があったし、めったにない大舞台に嬉しさを爆発させている生徒の姿を見ていると、自分にも昔はあったはずの純粋な野心を思い出さずにいられない。そう、純粋な野心って、こんなに清々しいんだなぁって思った。


「正直言えば、文句なしに上手い!っていう人から荒削りな人までいた。」と書いたけど、それに加えて感じたのは、

想いは技に勝つ

ってことかな。それは、テクニックはあっても、気持ちに不遜なところがあればたちまち曇って写る鏡のようなものかも。はっきり言って技術は未熟な最下級生の歌に、二回とも涙してしまい、上手いと言われる人の歌に引いたのは、たぶん、そういうことなんだろう。

1人一言コメント
シナちゃん:私、やっぱりシナ好きかも。自分の見せ方が上手くて、思わず「萌え〜」状態だった。アイーダの信念、お稽古段階では最後は裏声バージョンだったのね。
にわさん:彼女は「愛の旅立ち」とかで聞きたかったなぁ。多分自分の歌いたい曲と気持ちが合った曲だったんだろうけど、上級生だから「見せる曲」も必要だったかも。
ラギ:「愛燃える」を見たくなりました。そしてイシゾウくんの地底からの叫びが幻聴のように聞こえたりして(笑)
白帆さん:上手い、渋い。選曲よし。
晴華さん:確かCDメンバーだけある。技は十分あるが・・・。ビブラートが耳について歌が1人歩きしていた感あり。
コマ:最後のダンスはここまで歌えるようになったとは!本公演でやっていたトート達と結構いい勝負だったと思う。シナとのすれ違う演出もよし。
鞠輝さん:ブルースレクイエム、雰囲気あって良かった。
早花さん:普段十分練習している曲を実力どおり歌ったという感じ。選曲の勝利でもあるかも。実力再発見って感じ。
夢華さん:この方は地声系でローからハイまで実に上手い!友達の予想どおり私好みです(笑)惜しむべくは、On My Ownの時のステージング。背中を見せすぎ、舞台の端を使いすぎ。もっとセンターで見せるべき。
大凪さん:ダンスの人だと思っていたけど、上達していました。ちょっとたかちゃんのような声でもあり。それにしてもこれだけ朗々と歌われると「眩しい」って感じでした。
千さん:上手い。特に二部の曲は良かった。さらに良かったのが最後のJoyful,Joyfulでのスキャット。昔星組にいた高宮千夏系のソウルあり。
大月さん:命をあげよう、はかなり難易度が高いと思う。もう少し歌いやすい曲でもよかったかな。二部の歌は良かった。
純矢さん:バウでセンターに立っただけあってステージングが良かった。歌も自分の声にあっていた。
花夏さん:Somewhereの緊張した感じが初々しく、それでも高音がちゃんと出ていてストレスなかったです。
蓮城さん:デカイ!迫力あり。宙組のともちん系かな。
桜寿さん:声がすごく良くてひっかからないところが魅力。伸びやかな歌が印象的。Bui-doiの熱唱で二度涙。

千秋楽は、当日譲ってもらったのだけど、ドセンターを譲ってくれて本当にありがとう。帰りの新幹線で気持ちよいビールが飲めました。
こういういい企画は、今後もずっと続けてもらいたいなぁ。

PS この中に出てきた曲で、とうこちゃん度数がとても高いことに気づきました。