タンビエットの唄

2008年02月17日東京芸術劇場で千秋楽を観劇

この作品は、再演。メインキャストがタモさん→ヤンさんへと交代。
私の好きな土居さんはそのままのキャスティングだったから見た、といっても過言ではない。

話はベトナム戦争と、そして戦後。別れた姉を捜しに来た妹が過去を遡り、そして未来を見つける物語でもある。
土居さん好きの私、この歌にプライスレスだったしヤンさんの素晴らしい絶叫に1000円!だけど東宝ミュージカルを持ち込んで、ミスサイゴンをやってた方々には相当マイナスだった。全体的に泥臭さとか蒸し暑さのない話になってた。謝先生は作り込む時間を惜しんでしまったのだろうか。千秋楽で土居さんが「この話は事実です」と話すまでは「あ、そうだったよな」と忘れてました。芝居の中のリアリティが薄まっていたのかも。

ヤンさんは確かに芝居がうまい。ベトナム戦争の中で現地に残った姉というキャストだったら多分もっと合うのでは?と思うのだが、私はタモさんのあのキャラクターが「泥の中に咲いた蓮の花」的な、とりあえず自分のことだけ考えてイギリスに行ってしまい、何十年か経ってから姉を捜しにくるような無邪気さ(だって、世間を知っている大人だったらベトナム戦争の惨状がどんなものかわかるだろうし、それこそ罪の意識でそんな中でベトナムに戻ってくるなんてできなかったのではないか?)があったような気がするのだ。そういう意味で、初演を越えることはできなかった。

土居−畠中コンビが次回再演があった時にできるのか?が興味深いところ。私はファンだけど、これ以上は再演しないで欲しい。

その後、友達と会い土居さん待ちをしたら体の芯から冷えた。でも土居さんは本当に本当に優しい人だった。