オペラ座の怪人

2005年01月19日 電通四季劇場 海 オペラ座の怪人

かなり久しぶりの劇団四季になる。確か前回はソング&ダンスの初演だったっけ?なんて思い出せないくらいなのだ。
今まで敬遠していたのは、あの独特の発声方法と、僻みっぽい私には「あたしたちはこれくらいできて当然」というような敷居の高さというか、ぶっちゃけたところこの間のファントムの時に後ろに座っていた某四季ファンのあまりの暴言の数々に辟易してしまっていて、そういう中で見たくないよなぁとか、足が遠のいていたのだ。そんなに言うことないじゃないかって(ため息)

カレッタ汐留の電通四季劇場「海」友達のおかげで2階のてっぺんのセンターで快適な観劇ができた。2階だけどフロアは3階なのでかなり舞台から角度があり、場面によっては上が見切れてしまった。特にマスカレードの場面。

ファントムは、昨年宝塚でも宙組でバージョン違いのものを上演していて、いやでも比較対照してしまうのが人間の性というものである。宝塚では原作そのまま上演してないから言い切れないが、音楽やストーリーは四季の方がわかりやすいし、耳心地がいい。初見なのに何だか聞いたことのあるフレーズが多かった。
ファントムが初老の、顔が奇型であるが故に幼い頃から母にすら愛されない孤独な人間である設定であることから違うから、見ているうちに「少なくともホントに同じ素材を使ってるのか?」とさえ思った。

ファントムとクリスティーヌ、クリスティーヌとラウル、その他のカルロッタを含めて、四季バージョンは違和感がなかった。
ファントムのような体にコンプレックスがある人間と、そうでない人間との間には、愛でない「情」を「愛」と思い込みがちだが(少なくとも私はあまり両者を分けられる自信はない)、クリスティーヌはきっぱりと愛とは違うと引頭を渡す。ここら辺が、愛してるから顔を見せてと言いながら逃げ出した宝塚版よりも残酷に思えるが、まぎれもなく人間の本性のように思えてなんとも悲しかった。正直なところ、クリスティーヌが氷のような人に見えました(^_^;)女って残酷だわなぁ。。。叩きのめすことはないじゃんか。

ラウルは彼女を愛してるからこそ怪人に戦いを挑む。その戦いぶりが懸命な程、ファントムには持ち得ないものを持つ彼に対して嫉妬をする。本当によくできてるなぁと思う。
カルロッタなどは性格はともかく起こりうるアクシデントが違うから、なんとも言えませんね。少なくともクリスティーヌを陥れるようなでなくても物語としては成立することは分かった。
今日はファントム=高井さん、クリスティーヌ=佐渡さん、ラウル=石丸さんだった。
佐渡さん、昔は東宝に出てたけどねぇ〜。しかし宝塚時代のそんちゃんの顔がちらちらしてしまって困りました。プログラムの方がすっきりしてて可愛いな。

歌は、そりゃみんな巧いです。語尾もはっきり「マスカレード」の「ド」までよく聞き取れたし。歌はいいけど台詞になると、母音をはっきり言い過ぎて、抑揚がなくなってしまう(特に脇の人)テンションが下がりそうになると歌うのでよかったが。あと、みんなフルボリュームで歌うので、一幕の事務所の場面?は何言ってるのかごちゃごちゃしてて疲れた。
プレス観劇日なのか?いかにもいかめしいおじさんがたくさんでした。ともかく一度は観ないといかんだろ?の秀作でした。宝塚のフォローすると、原作通りに上演してガチンコして欲しいですね。